インプラント治療後に起こりうるトラブルの中で、上部構造(人工歯)の破損の次に多いのがインプラント周囲炎です。
上部構造の破損は修理をすることで対応できる場合が多いですが、インプラント周囲炎が進むとインプラント本体(フィクスチャー)の維持が難しくなります。したがってインプラントの寿命を延ばすためには、治療後にいかにインプラント周囲炎を予防していくかが重要となります。
■インプラントの周囲組織に発生する「インプラント周囲炎」
インプラントは天然歯のように虫歯になることはありません。しかし天然歯が歯周病菌になるのと同様のことが、インプラントにも起こります。
天然歯の場合、歯周病菌の感染が歯ぐきにとどまっている状態が、歯肉ですが感染がその奥の骨にまで波及していくと歯肉炎になります。これが進んでいくと歯を取り囲む骨が破壊されていくため、やがて歯が支えきれなくなります。
インプラントの周囲においても歯周病と同じように、歯ぐきに限局した「インプラント周囲粘膜炎」から骨にまで感染が及ぶ「インプラント周囲炎」へと進行します。インプラント周囲炎もまたインプラント周囲の骨が破壊されていくため、インプラントそのものを維持できなくなってしまいます。
■インプラント周囲炎と歯周病の違い
インプラント周囲炎は歯周病に似た病状をたどる病気ですが、発症後の進行スピードが歯周病よりもの早いという特徴があります。
天然歯の場合は歯根と骨の間に歯根膜(しこんまく)などの組織が存在し、細菌の感染が奥に広がるのを防ぐバリア機能を果たしています。しかしインプラントは骨と直接結合しているため、歯ぐきから骨の方へと細菌の感染が広がりやすいのです。
したがってインプラント治療後はこれまで以上に歯ぐきの状態に警戒し、万が一炎症がみられた場合は迅速に対処することが重要となります。
■インプラント周囲炎にならないためには?
インプラント周囲炎はインプラント周囲の歯ぐきに細菌が感染して発生します。ゆえにインプラント治療後も日々のホームケアを徹底させるほか、定期的な歯科医院でのメンテナンスを受け続けることが大切です。
またインプラント周囲炎はインプラント治療以前から歯周病を患っている人ほどそのリスクが高くなります。実際にインプラント周囲炎になった部位の細菌を調べると、隣接する歯の歯周ポケット内の細菌と類似することがわかっています。
そのため歯周病のある人がインプラント治療を行なう場合は、治療前に必ず歯周病を治し病原菌の数を減らしておかなければなりません。
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